○上松町情報公開条例

令和5年3月7日

条例第2号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 公文書の開示(第5条―第17条)

第3章 審査請求(第18条―第21条)

第4章 情報公開の総合的な推進(第22条―第25条)

第5章 補則(第26条―第29条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地方自治の本旨にのっとり、公文書の開示を請求する権利及び町の情報公開の総合的な推進に関する事項について定めることにより、町が町政に関し町民に説明する責務を全うするようにするとともに、町民の町政への参加を推進し、もって一層公正で開かれた町政の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 実施機関 町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者(地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第7条ただし書の規定により管理者を置かないとした場合にあっては、その権限を行う町長)及び議会をいう。

(2) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書及び図画(これらを撮影したマイクロフィルムを含む。)並びに電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、官報、公報、新聞、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものを除く。

(条例の解釈及び運用)

第3条 実施機関は、公文書の開示を請求する権利が十分に保障されるようこの条例を解釈し、運用するものとする。この場合において、実施機関は、個人に関する情報がみだりに公開されることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

(適正な請求及び使用)

第4条 この条例の定めるところにより公文書の開示を請求しようとするものは、この条例の目的に則し、適正な請求をするとともに、公文書の開示を受けたときは、これによって得た情報を適正に使用しなければならない。

第2章 公文書の開示

(公文書の開示を請求できるもの)

第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、当該実施機関の保有する公文書の開示を請求することができる。

(開示請求の手続)

第6条 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)をしようとするものは、次に掲げる事項を記載した請求書(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地並びに法人又は法人でない社団若しくは財団にあってはその代表者又は管理人の氏名

(2) 公文書の名称その他の開示請求に係る公文書を特定するために必要な事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項

2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をしたもの(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(公文書の開示義務)

第7条 実施機関は、開示請求があったときには、開示請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「不開示情報」という。)が記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。

(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。次条第2項において同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公開することにより、なお当該個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定により、何人でも閲覧することができるとされている情報

 実施機関が、公表することを目的として作成し、又は取得した情報

 法令等の規定により行われた許可、認可、届出その他これらに相当する行為に際して実施機関が作成し、又は取得した情報で、公にすることが公益上必要であると認められるもの

 公務員の職務遂行に関して記録された情報に含まれる当該公務員の職及び氏名

(2) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、情報を公にすることにより当該法人等又は当該個人に不利益を与えると認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法人等又は個人の事業活動によって生ずる危害から、人の生命、身体又は健康を保護するために公にすることが必要と認められる情報

 法人等又は個人の違法若しくは不当な事業活動によって生ずるおそれのある支障から人の財産又は生活を保護するために公にすることが必要と認められる情報

 又はに掲げる情報に準ずる情報であって、公にすることが公益上必要と認められるもの

(3) 国又は他の地方公共団体(以下「国等」という。)の機関からの協議、依頼等により作成し、又は取得した情報であって、公にすることにより、国等との協力関係又は信頼関係を害するおそれのあるもの

(4) 町の機関と国等の機関又は町の機関内部若しくは町の機関相互間における審議、検討、調査研究(以下「審議等」という。)に関する情報であって、公にすることにより、当該審議等又は同種の審議等に支障が生ずるおそれがあると認められるもの

(5) 町の機関又は国等の機関が行う検査、監査、争訟、交渉、入札、試験その他の事務事業に関する情報であって、公にすることにより、当該事務事業若しくは同種の事務事業の実施の目的が失われ、又はこれらの事務事業の公正若しくは適切な実施を困難にするおそれのあるもの

(6) 公にすることにより、人の生命、身体又は財産の保護、犯罪の予防その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれのあるもの

(7) 法令等の規定により公にすることができないとされている情報

(8) 公にしないことを条件に提供された情報

(公文書の部分開示)

第8条 実施機関は、開示請求に係る公文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、当該情報が記録されている部分を容易に区分することができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

2 開示請求に係る公文書に前条第1号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、公開しても、個人の権利利益が害されないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。

(公益上の理由による裁量的開示)

第9条 実施機関は、開示請求に係る公文書に不開示情報(第7条第1号に該当する情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該公文書を開示することができる。

(公文書の存否に関する情報)

第10条 開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。

(開示請求に対する措置)

第11条 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し実施機関が定める事項を書面により通知しなければならない。

2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

3 実施機関は、開示請求があった場合において、直ちに、当該開示請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定をして開示をすることができるときは、第1項の規定にかかわらず、開示請求者に対し、同項に規定する通知を口頭によりすることができる。

(開示決定等の期限)

第12条 前条第1項及び第2項の決定(以下「開示決定等」という。)は、開示請求があった日から14日以内にしなければならない。ただし、第6条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を46日以内に限り延長することができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

(開示決定等の期限の特例)

第13条 開示請求に係る公文書が著しく大量であるため、開示請求があった日から60日以内にその全てについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、実施機関は、開示請求に係る公文書のうちの相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし、残りの公文書については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。この場合において、実施機関は、同条第1項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) この条を適用する旨及びその理由

(2) 残りの公文書について開示決定等をする期限

(事案の移送)

第14条 実施機関は、開示請求に係る公文書が他の実施機関により作成されたものであるときその他他の実施機関において開示決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の実施機関と協議の上、当該他の実施機関に対し、事案を移送することができる。この場合においては、移送をした実施機関は、開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。

2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた実施機関において、当該開示請求についての開示決定等をしなければならない。この場合において、移送をした実施機関が移送前にした行為は、移送を受けた実施機関がしたものとみなす。

3 前項の場合において、移送を受けた実施機関が第11条第1項の決定(以下「開示決定」という。)をしたときは、当該実施機関は、開示の実施をしなければならない。

(第三者保護に関する手続)

第15条 開示請求に係る公文書に町、国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。)、他の地方公共団体、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。)及び開示請求者以外のもの(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、開示請求に係る公文書の名称その他実施機関が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。

2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示決定に先立ち、当該第三者に対し、開示請求に係る公文書の名称その他実施機関が定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

(1) 第三者に関する情報が記録されている公文書を開示しようとする場合であって、当該情報が人の生命、健康、生活又は財産を保護するため公にすることが必要な情報と認められるとき。

(2) 第三者に関する情報が記録されている公文書を第9条の規定により開示しようとするとき。

3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該公文書の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、開示決定後直ちに、当該意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。

(公文書の開示の実施)

第16条 公文書の開示は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して実施機関が定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による公文書の開示にあっては、実施機関は、当該公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。

2 開示決定に基づき公文書の開示を受けるものは、実施機関が定めるところにより、当該開示決定をした実施機関に対し、その求める開示の実施の方法その他の実施機関が定める事項を申し出なければならない。

3 前項の規定による申出は、第11条第1項に規定する通知があった日から30日以内にしなければならない。ただし、当該期間内に当該申出をすることができないことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。

4 開示決定に基づき公文書の開示を受けたものは、最初に開示を受けた日から30日以内に限り、実施機関に対し、更に開示を受ける旨を申し出ることができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

(手数料等)

第17条 この条例の規定による公文書の開示に係る手数料は、無料とする。ただし、公文書の開示により写しの交付を受けるものは、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。

第3章 審査請求

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第18条 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。

(審査請求があった場合の手続)

第19条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、遅滞なく、木曽広域連合情報公開及び個人情報保護審査会に諮問しなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下するとき。

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとするとき(当該公文書の開示について反対意見書が提出されているときを除く。)

2 前項に規定する諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。

3 第1項の規定により諮問をした実施機関(以下「諮問庁」という。)は、木曽広域連合情報公開及び個人情報保護審査会から当該諮問に対して答申があったときは、これを尊重して、遅滞なく、当該審査請求に対する裁決を行わなければならない。

(諮問をした旨の通知)

第20条 諮問庁は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下この条及び次条第2号において同じ。)

(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(3) 当該審査請求に係る公文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

第21条 第15条第3項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。

(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決

(2) 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る公文書を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)

第4章 情報公開の総合的な推進

(町の責務)

第22条 町は、情報公開の総合的な推進を図るため、第2章に定める公文書の開示のほか、町民が町政に関する情報を迅速かつ容易に得られるよう、情報の提供に関する施策の充実に努めるものとする。

(情報の提供に関する施策の充実)

第23条 実施機関は、町政に関する情報を分かりやすく記載した資料の作成及びその提供に努めるとともに、その保有する情報を町民に積極的に提供するよう努めなければならない。

2 実施機関は、その行う主要な事業の計画及びその進捗状況に関する情報の公表に努めなければならない。

(出資法人等の情報公開の推進)

第24条 町が出資又は継続的な財政的援助を行う法人で実施機関が定めるもの(以下「出資法人等」という。)は、この条例の趣旨にのっとり、その性格及び業務内容に応じ、その保有する情報の開示及び提供を推進するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 実施機関は、出資法人等の情報公開を推進するため必要な措置を講ずるものとする。

(指定管理者の情報公開の推進)

第25条 町の公の施設を管理する指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。次項において同じ。)は、この条例の趣旨にのっとり、当該公の施設の管理に関して保有する情報の開示及び提供を推進するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 実施機関は、指定管理者の前項の情報の公開を推進するため必要な措置を講ずるものとする。

第5章 補則

(運用状況の公表)

第26条 町長は、毎年、各実施機関におけるこの条例の運用状況について、公表しなければならない。

(他の制度等との調整)

第27条 法令等の規定により、実施機関に対して公文書の閲覧若しくは縦覧又は公文書の謄本、抄本その他写しの交付を求めることができる場合における当該公文書の閲覧又は写しの交付については、当該法令等の定めるところによる。

2 この条例の規定は、図書館等の町の機関において町民の利用に供することを目的として管理されている公文書の閲覧及び写しの交付については、適用しない。

(適用除外)

第28条 この条例の規定は、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第53条の2に規定する訴訟に関する書類及び押収物については、適用しない。

(委任)

第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が定める。

この条例は、令和5年4月1日から施行する。

上松町情報公開条例

令和5年3月7日 条例第2号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3編 行政一般/第3章 情報の公開・保護等
沿革情報
令和5年3月7日 条例第2号